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2012/03/09 update
HAPPYな瞬間を共有できるアクセサリー
新栄の駅から近いオシャレなビルの2階。扉を開けてまず目に飛び込んできたのが、ガラスケースに飾られたブライダルアクセサリーの数々。純白で華やかに輝く美しさに目を奪われてしまう。
華やかなブライダル
アクセサリーが並ぶ。
「お待ちしていました、雨はひどくなかったですか?」と優しく迎え入れてくれたのは、アルテディーバを立ち上げたデザイナーの山崎智江美さん。
事前に拝見していたアクセサリーから想像していた通り、凛とした気品のある女性だった。これからどんなお話が聞けるのだろう、とワクワクしながらアクセサリーが並ぶアトリエの中へ・・・
輝く日に一緒にいられる名脇役
山崎さんは、服飾雑貨を扱うメーカーに企画・デザインの責任者として25年勤務し、販売を含む一連の仕事に携わった。その後フリー時代を経て、2009年に自身のブランドを設立。
「一人で決断しなければいけないのは大変ですが、楽しんでいます。独立して視野が広がりました。」
服飾に興味を持ったのは、手先が器用で洋裁が得意なお母様の影響が大きいのだとか。
「子供のころ、母が作ってくれる服や小物を身に付けるのが嬉しくて。私も小さい頃から着せ替え人形のお洋服を作ったりして遊んでいました。
自分でブランドを立ち上げるなら、丁寧で一点ものに近いオーダーメイドのような商品が作れたらいいなぁと・・・」
そう、アルテディーバの大きな魅力のひとつがオーダーメイドの商品。
ここ一番のおしゃれをしたいとき、女性が一番輝く日のためのアクセサリーや小物をデザインしている。例えば、看板商品にもなっているブライダルアクセサリー。
「立ち会えるときは衣装合わせからご一緒して、そのデザインに似合ったヘッドドレスやネックレスといった装飾品を、お客様と相談しながら2ヶ月ぐらいをかけて作ります。
金属アレルギーの花嫁さんがいたら肌にあたる部分を布にしたり、細かい対応ができるのもオーダーメイドだからこそ。髪飾りなら裏返っても見栄えが悪くないよう一工夫加えるような丁寧さを大事にしています。」
こうして生まれた数々は、どれを見ても本当にうっとりしてしまう。ブライダルアクセサリーは花嫁の美しさを際立たせる名脇役なのだ。
世界にひとつだけのアクセサリーを結婚式で身に付けるなんて、女性なら誰しも憧れてしまうはず。
自分はその場に行けなくても、デザインしたアクセサリーがHAPPYな瞬間に立ち会えることが嬉しい、という山崎さんの言葉は本当に素敵でロマンチック!
異業種のクリエイターと、伝統を生かしたものづくりを
山崎さんはブライダルアクセサリーのような特別なものだけでなく、日常使いのアクセサリーや小物もたくさん手掛けている。中でも、ひと際繊細な美しさをはなっていたのが和のテイストを取り入れたもの。
「私自身も着物教室に通ったり、庭園が好きだったり、和雑貨や伝統工芸にすごく魅力を感じています。日本のものづくりのことをもっと知りたいし、勉強しなきゃ。」
高齢化で職人が少なくなってきている伝統工芸の魅力を伝えていきたい。市場の幅を広げてもっと多くの人に使ってもらいたいという職人さんたちの思いは、山崎さんも同じ。
そんな時に出逢ったのが、江戸時代から伝わる工芸「つまみ細工」。
和装の時にひと味違ったアクセントとして使える装飾品はもちろん、ビーズやスワロフスキーと組み合わせてカジュアルにアレンジした指輪など様々なシーンで使えそう。ビビットな色合いで、デニムに合わせてもいいなぁと色々想像しながら次の商品へ。
「これは「透かし彫り」の手鏡。アクリル素材を切り抜いて、手鏡やかんざしに細工をしています。よく見ると、蝶やハートの模様が入っているんですよ。技術的なことを知らずに無茶な注文もしてしまったみたいだけど、職人さんが工夫してくれて完成しました。きれいでしょう?」
つまみ細工を現代風
にアレンジした指輪
「最近は『メイド・イン・ジャパン プロジェクト』(※)で知り合った建築やインテリアなど、違う分野のデザイナーとの交流も新鮮で刺激になっています。今まで知らなかった素材のことを知ったり、この人のこういう技術を生かしてなにか作りたいと思う伝統工芸がたくさんあるんです!」
今後、東海地区の伝統ともコラボしていきたいという山崎さん。瀬戸の工芸「せともの」を使って、陶磁器を扱う会社エム・エム・ヨシハシとのアクセサリーやウエディングギフト作りが進行中だとか。「6月にはお見せできると思いますよ。」と手応えも感じている様子。
「メイド・イン・
ジャパン プロジェクト」
とは、日本の文化を守り、
地域の活性化を促すため
活動する団体。
多くのデザイナーが
所属する。
デザイナーはまるでマジシャンみたい
オフィスの奥には、もう一人女性の姿があった。アシスタントとして山崎さんを影で支える戸田さんだ。
戸田さんの仕事は、山崎さんが描いたデザイン画を、試作品や商品として手作りで製作すること。それは驚くほど繊細な作業。
「今日はなにを作るんだろう?と楽しみにココへ来ているんですよ。先生(山崎さん)と知り合ってもう25年ぐらいになりますが、アシスタントというよりファンとしての気持ちの方が強いかもしれません。」
山崎さんも「彼女とはツーカーの仲なので、ラフなデザイン画で大まかに伝えただけで作ってくれます。」と信頼を寄せている。
「昔から手芸が得意で、
色々自分で作っていま
した。」と戸田さん。
「先生の指示で、試作品の小さな石の色をひとつ変えるとするでしょう?すると、全然違う表情になることがあるんです。髪飾りも、付ける位置を少し変えただけでマジックにかかったみたいに引き立ったことがありました。
ほんの少し手を加えただけでこんなに変わるんだ!これがデザイナーってことなんだ!って、そばで見ていて感動しています。まるでマジシャンみたい!」
そう話してくれる戸田さんの笑顔は本当にきらきらしていて、とても幸せそう。
戸田さんの二人のお嬢さんたちも、アルテディーバのオーダーメイドアクセサリーを身につけて結婚式を挙げたとのこと。「本当にきれいだったわよねぇ」「先生のアクセサリーのおかげです」なんて写真を見ながら嬉しそう思い出話に花を咲かせるお二人。
山崎さんが作り出したマジックで美しく変身した女性たちは、きっと大満足で「輝く日」を迎えていることだろう。
壁一面に製作用の材料が。
女性を美しく、笑顔にしたい
七五三、セレモニー、ステージ、記念日の贈り物・・・女性が輝くあらゆる場面で山崎さんのアクセサリーは活躍している。
「アクセサリーは記念として残るもの。いい素材で丁寧に作っていれば、アフターフォローやリフォームをしながら、姉の物を妹が、母の物を娘がというように代々受け継いでいけます。そうして私の作ったものがずっと残っていけば嬉しいですね。」
アクセサリーを身に付けた女性から笑顔の写真が届いたり、「素敵ねって褒めてもらいました」という声を聞くのがデザイナーとして大きな励み。山崎さんにとってのデザインとは、女性をより美しく、笑顔にしたいという思いが第一だそうだ。
「女性がアクセサリーを付けるのは、華やかにしたいとかきれいに見せたいという思いがあるから。いつまでも生き生きしていられる若さの秘訣でもあります。」
華やかなものって、買わずに見ているだけでも楽しい気分になれる。
実はこの取材後・・・アトリエでアクセサリーの販売もしていると聞いて、取材陣の女性二人で商品を見せていただいた。「かわいい〜!」と仕事を忘れてアクセサリー選びに夢中。
どれも凝っていてかわいいのに、思っていた以上に値段もお手頃。こんなにお安く!?というものもあって驚いてしまった。
テンションが上がりっぱなしの私たちは、にこにこ顔の山崎さんと戸田さんに見守られつつ、つまみ細工のピアスと、飾りの付いたセブラ模様のシュシュを1点ずつお買い上げ♪
細かい細工は職人さん
ならではの技が光る。
現在アルテディーバのアクセサリーが購入できる店は関東にあるとのことだが、オーダーの依頼、名古屋オフィスでの販売についてはホームページの問い合わせフォームから受け付けている。今後はネット通販も検討し、もっと市場を拡大していく予定とのこと。
「結婚式のときは是非うちのアクセサリーを。」との言葉に、二つ返事で「はい!」と大きく応えてしまった。女子に生まれてよかったなぁ・・・
(若林)
取材陣も
買っちゃいました!
デザイナープロフィール
山崎 智江美
【職種】アクセサリーデザイナー
【出身校】東京デザイナー学院 服飾デザイン科
【興味のあること】着物、庭園、日本画など、日本の伝統文化と技術に興味があります。旅行が大好きで、最近は京都へよく行っています。
学生時代に服飾デザインを学び、アクセサリーのメーカーに就職。
そこで、デザインだけでなく、ブランディング、マーチャンダイジング、ディスプレー、店舗運営など、物を作ってから販売までの過程すべてに関わる。
25年のキャリアを経て、フリーランスのデザイナーとして活動を開始。
2009年に、コスチュームジュエリー、ヘッドアクセサリーを中心としたブランド「ARTE DIVA」を立ち上げた。