クリエイティブ関連 企業情報 company
2012/02/17 update
遊び心からのクリエイティブを楽しむ
会社にはそれぞれ違ったカラーがあるけれど、おもしろさや居心地の良さを考慮した職場の環境作りを心がけている会社はどのくらいあるだろう。
株式会社ddidは、栄のナディアパークビジネスセンタービルにオフィスを構え、webを中心にソフトウェア開発、広告デザインの企画・制作などに取り組んでいる会社だ。
取材を進めるにつれて、事業内容以上にこの会社自体がとても興味深くおもしろいと知ることになった。
なぜならココはオフィスに「憩いのソファ」が鎮座しており、仕事の傍ら社員が出演する謎のショートフィルムを真剣に制作して楽しんでいる、個性豊かな社風だったからだ―。
無難に終わらせない
設立は2010年、いわゆる学生ベンチャーのまだ「若い」会社。社長も取締役も30代だという。
オフィスに案内され、良いなと思った。それぞれの机周りに仕切りがある。扉こそないものの、マンガ喫茶の個室ブースを連想させる作り。パーソナルスペースが保たれ、仕事に集中しやすい環境が整えられている。
柔和な雰囲気をもった取締役の川松龍也さんにお話を伺った。
「会社の仕事は、主にアプリの制作です。なかでも今はAR(拡張現実)を活用したサービスの制作、【GO近所】というアプリの開発、ipadなどのタブレットでアンケートを回収できるアプリ、この3つに主力を入れています。」
仕切りのあるオフィスはこんな雰囲気。
ARとは、拡張現実とも呼ばれ近頃注目されている技術。スマートフォンなどのカメラを設定した場所にかざして見ると、その場所に関する情報などが画面に表示される。
(写真:LINKS NAGOYA マーケット のイベント用にddidが作成した企画
「スマートフォンを使ってブースをのぞいてみよう」)
【GO近所】は、GPS機能を利用して自分が今いる場所の近くにある店舗やイベント情報を教えてくれるサービス。スマートフォンの普及が右肩上がりの今、これからニーズは増えてくるだろう。
「もちろん外部から請け負う広告の仕事もあります。おもしろい販促企画を練ってもらいたいという依頼に対して、他社とは少し違うオリジナルでユニークなものを提案するようにしています。
本質的なところをブレずに考えつつ、無難に終わらせない。クライアントも一緒に楽しめるような仕事をしたいと考えています。」
【GO近所アプリ】http://go-kinjo.jp/
個人のアイデンティティを活かす
ddidの企業理念は「個々のアイデンティティを大事にすること」だと川松さんは言う。
「個人の存在を尊重することが大切。働く人の成長は、会社の成長につながるでしょう?個人の成長を支える=会社が伸びるという仕組みだと思うんです。
そして、それぞれから生まれた個性を共有するとイノベーションが起こる。」
川松さんが人を見るポイントは、自分自身のことを理解できているかどうかだそうだ。なにが好きで、なにが不得手か。目標や夢があるか。自分を知っている正直なキャラクターに、魅力と伸びしろを感じる。
川松さんは以前、デジタルカメラのメモリーカードなどを扱うメーカーに12年勤めていた。海外勤務も経て感じたことは、自分の能力の限界。
「企画から開発、プロモーションまで一通りの仕事を手がけました。でも、会社の中で自分の限界が見えてしまって。それを打ち破るために環境を変えたいと思っていました。」
ddidの社長、斎藤雄一さんは大学の先輩にあたる。卒業後も商品の販促広告を依頼したり、つかず離れずの関係が続いていた。
新しいことに挑戦してみよう、やりたいという思いでddidへ転職を決意。「個性を活かす組織」の中で、可能性は広がっていった。
遊びで「なにかが起こるんです」
このページのトップに載っている画像。なんだろう?と思った方も多いはず。
実はこれ、今年のddidの年賀状。ただ映画のチラシ風に作っているだけではない。本当にショートフィルムを制作して、ホームページで動画を公開している。
出演は、社長を筆頭にスタッフ一同。構成・脚本も自分たちで練るというから驚いてしまう。
今年は『秀休さん』という殺人事件モノ。去年は卯年にちなんで、ウサギのかぶり物で撮影をした。
なぜ、こんなことをしているのか、やはり聞かないわけにはいかない。
「遊んでいるように見えるでしょう?この遊びが大事。仕事に遊びの要素を取り入れると、なにかが起こるんです。」と川松さんはニヤリ。
今年のddidの年賀状。
【秀休さん】
http://www.ddid.jp/sp/newyear2012/
仕事をする傍ら、この動画制作に1ヶ月近くを費やすという。遊びから刺激を受けて学ぶ事がある、仕事以外のものを作る事でチームワークが良くなるという柔軟な発想のもと楽しんでやっているのだそう。
「クライアントを含め、「今年も変なの作ってんなぁ」と楽しんで見てくれてる人もいるんですよ。なんかおもしろいことやってる会社という認識をしてもらえるし、「コレなんですか?」って会話のネタにもなる。来年もやりますよ!」
遊びからクリエイティブを楽しみ、遊びからチームワークを学ぶ。遊び心を忘れないなんて理想的な会社だけど、実際働いている人はどう感じているのだろう。
会社立ち上げ当初からのメンバー、金井正裕さんにもお話を聞いた。ちなみに、「僕のモットーは、恥は捨てずに照れは捨てる」。
名刺の裏には、その人が
キャラクターに扮した
写真がついたバージョンも。
「理解のある社長だから、『秀休さん』作りとか仕事中に関係ないことをしてても、怒るどころか「いいじゃな〜い」と言ってくれます。集中したいからスタバで仕事してきます、という日もあるし。
集まるときは集まって、散らばるときは散らばってる。それぞれが仕事に集中できて良い環境です。」
それが許されているのは、各々が会社のスタンスを理解し、貢献する働きをしているという信頼関係があるからこそ。
「メンバーのモチベーションはやっぱり「おもしろいこと」で上がりますよ。おもしろくないものは他の会社が作ればいいって思っちゃってますね(笑)
もっと楽しめて新しいことを送り出していこうかっていう考え方がみんなの基準としてあります。」と、金井さん。
昨日より、明日の方が良い一日になったら・・・
今後の展望は、市場からのニーズに応える「マーケットイン」から、商品をユーザーに送り出す「プロダクトアウト」へ徐々にシフトチェンジしていくこと。
楽しくておもしろい「なにか」を世に送り出したいという意欲は、短いインタビュー時間でも存分に感じることができた。
そして、きっとそれらを送り出すことができる会社であるという期待も。
今までで印象に残っている仕事は?と尋ねたら、少し考えたのち「仕事じゃないけど、事務所を移転するときにIKEAへ家具を買いにいったことだね。休日だったけど、スタッフが運びこむのを手伝いに来てくれて。重くて本当大変だった!」と川松さんは笑ってそのエピソードを話してくれた。
この写真は、川松さんが取ったお気に入りの一枚。
「このソファ、夕方になると誰か座ってる。疲れたなぁとか言いながらここに座って話していると、行き詰まってても別の発想が生まれたり。座っているうちに打ち合わせが始まっちゃったりね。意外と凄い働きをしてる大事なもんですよ。」
ひとたび座ると、
すっかりリラックスモード
楽しげな話を散々書いてしまったけれど、すべては「メリハリは大事」ということを心得た上での遊び。
レールは外れず、定めたレールのなかでいかに遊ぶか。遊びが良いスパイスとなって、絶妙なバランスでプロとしての仕事を成立させている。
「昨日より、明日の方が良い一日になっていたらって考えると楽しいよね。そのためには余裕がないと。
ぎゅっとしばられてる中ではウッとなって良いアイデアが出ない。だから自由にふわっとさせて、そこからエッ?というものを・・・」
擬音ばっかりだけど、ddidの雰囲気が一番伝わってきた言葉だったような気がした。
今回の取材のおかげで、私も来年の年賀状とショートフィルムを期待してしまう一人となってしまったみたい。
(若林)
スタッフ紹介
金井 正裕
【職種】Webデザイナー、Android Developer、Titanium Developer
【入社年】2010年11月
【出身校】コンピュータ総合学園HAL名古屋校
【ニックネーム】webでは ID: bigchu
【興味のあること】山ごもり、献血
【おまけ】
iPhone App : SyuuKyuu TRAIN TIMER 2012
http://itunes.apple.com/jp/app/id499354184?
★ワタシPR★
自分は作れる人間が一番であり、大切と思っています。それでいて、考えられる人間がこれからの生き抜く力になるでしょう。どうやったら「できる」のかに集中し開発をしていくことに今後も力を注ぎます。